被害拡大中?:ハクビシン対策
SARS(重症急性呼吸器症候群)が世界的に流行すると同時に、自然宿主ではないかと疑われたハクビシンも有名になりました。
結局ハクビシンは自然宿主ではないということがわかりました。しかしハクビシンはSARSを始めとしたあらゆる恐ろしい感染症を媒介することで知られており、侮ることはできません。
この記事の目次
ハクビシンの生態
都市部にもあらわれる!電線も器用に渡る
ハクビシンは沖縄を除くほぼ全国に分布しています。在来種か外来種かが確定されていないため、アライグマのように特定外来生物指定はされていません。
夜行性で、雑木林の木穴や市街地、民家の屋根裏などに巣を作ります。適応能力と学習能力に秀でており、郊外地域だけでなく都市部で生き残る知恵もあると言われています。
実際、都市部での被害が増えています。ハクビシンは基本的に樹上生活なので運動神経がよく、高い木にジャンプしたり細い電線を綱渡りするなどして移動します。
ハクビシンの習性
ハクビシンは雑食性で、野菜や果物、昆虫や小動物など何でも食べます。
フクロウやタカなどの猛禽類やアライグマなどが天敵です。天敵と遭遇するとフンフンと鼻息を荒くし、ウ~ッとうなりながら時折ガウッと吠えます。
出産は一年に一度、2~3頭を産みます。それほど繁殖力は強くないように思われがちですが、ハクビシンは生後10か月から出産可能になり妊娠期間がわずか2か月しかなく、寿命が10年以上と言われており、気が付くとあっという間に個体数が増えてしまいます。
自分でできるハクビシン対策って?
臭いや光を利用する
ハクビシンは臭いの強いもの、特にニンニクや石油系の臭いが苦手です。他にもアニマルビーと言う、ハクビシンの天敵であるオオカミなどの猛獣の尿の臭いを利用するという手もあります。ただし本物の動物の尿の臭いなので屋外での使用をオススメします。
また他の野生動物同様強い光が苦手です。夜行性動物の駆除には青色ストロボが有効であることが知られていますので、忌避剤とともに使用するとさらなる効果が期待できるでしょう。
野生動物は水が苦手なので、赤外線センサーで感知したハクビシンなどに水を勢いよくかけるという対策グッズも脚光を浴びています。
家に侵入させない
大人の握りこぶし大の大きさの穴があれば侵入してしまいますので、そのような穴があったら金属製のネットなどで塞ぐようにしましょう。
また木登りが得意なハクビシンの足場となるような場所はなるべく作らないでおくようにしましょう。
ハクビシンの被害と注意点
ハクビシンの被害
ジャンプ力の高いハクビシンは、他の害獣が飛び越えられない防護柵を設けても、1m以上の跳躍力でいとも簡単に乗り越えてしまいます。特に甘い果樹が好物で、果樹園などが狙われやすく被害が出ています。
屋根裏に住み着くと夜中の足音に悩まされます。
また「ため糞」といって同じ場所に排泄する習性があるため、天井から糞尿がシミとなったりポタポタと漏れてきたりします。最悪の場合天井が腐食して天井が抜け落ちてしまうこともあり、大掛かりなリフォームが必要になることもあります。
一度ねぐらを定めると同じ場所に住み続ける習性があるので厄介です。放置しておくと家の構造躯体にまでダメージを負う恐れがあるため、ハクビシンの痕跡を見つけたら速やかに忌避することが重要です。
ハクビシンによる健康被害
ハクビシンは免疫力が強く、SARSウィルスを保持していてもものともせず元気に走り回ることができます。ハクビシンのフンや唾液にはSARS以外のトキソプラズマ症やレプトスピラ症など恐ろしい感染症の原因となる菌が多く含まれている可能性があります。特に小さいお子さんやお年寄りなど免疫力の低い方は感染症にかかりやすいため、被害を受ける可能性が高くなります。
またハクビシンに寄生しているノミやダニによってアレルギーを引き起こすこともあります。喘息やアトピー性皮膚炎の引き金にもなりかねないので軽視することはできません。
まとめ
ハクビシンについてまとめてみました。
見た目は可愛いけれど、噛みつかれるとどんな感染症を引き起こすかわかりません。ハクビシンが自宅にいるかもしれないとわかったらなるべく早い段階で対処しましょう。ただし直接ハクビシンを触ったり素手で糞尿を始末したりすることは厳禁です。
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